気温が30度を超えるの日が続いています。この暑さをなんとかしたいということで、庭や道路に打ち水をするという話を聞きます。
我が家は真南に庭があり、日中の窓際がすごく暑くなるので本当に効果があるならやってみよう!
ということで、打ち水の原理や効果について調べて試してみたのでご覧ください。
打ち水はどんな原理?
打ち水をすると涼しくなるという理由は2つあります。1つ目が気化熱によるもの。2つ目が空気の流れによるものです。
気化熱で涼しくなる?
気化熱とは液体が気化する時に、周囲から吸収する熱のことです。水が蒸発するときに、水に接しているものから熱をうばうので、接していた側の温度が下がります。
顔を洗ってタオルで拭かないでいると『スースー』したり、汗をかいた状態で扇風機の前にいる場合と汗をかいていない場合とでは、汗をかいた時のほうが涼しく感じるのも気化熱によるものです。
打ち水はこの気化熱を利用しています。芝生や庭、アスファルト舗装やコンクリート舗装などの地面に水をまき、その水が気化する時に地面の熱をうばうことで、その周辺の温度を下げています。
気化熱を利用したもの例として
ハンディタイプのミスト扇風機
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水を含ませることが出来る帽子
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濡らして巻くスカーフは外で遊ぶことが多い子供に必要ですね。
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このように気化熱を利用した商品も売られています。
打ち水で空気の流れが出来る?
打ち水をすると打ち水をしたところと、打ち水をしていないところに気圧差ができます。
『水の蒸気圧』というものが関係していて、打ち水をしたところから、していないところに向かって空気が流れます。
風速にすると約0.6m/s。
およそ1秒間に60cm進む風です。扇風機の弱でも風速が2.0m/sありますから、そよ風ですね。
風速1m/sにつき約1℃体感温度が下がると言われていますので、そよ風でも家の中に流れてくれば涼しく感じます。
でも打ち水をした場所から家の中に確実に風が流れてくるとは言えませんね。
でも家の中に風の流れを作るための工夫した建物があります。
京都にある京町屋です。
間口が狭いうなぎの寝床のような京町屋には高い壁に囲まれた坪庭と呼ばれる庭があります。
この坪庭は、太陽の光がふりそそぐ庭と、太陽の光が入りにくくした庭が部屋を挟んで設けられています。
片方の庭に打ち水をすると、そこからもう片方の庭に向かって風が流れるという仕組み。
もともと温度差が生じて風が循環しているはずなので打ち水をしなくても風が流れるのでは?と思いますが、実際には、坪庭に交互に打ち水をして風の流れを作っているようです。
体感したことがないので、機会があれば京町屋に行ってみたいですね。
打ち水の効果はどれくらい?
実際に東京霞が関のビル街で行われた打ち水のイベント。打ち水をして、すぐに気温が1℃前後下がりました。
ただ、コンクリートやタイル貼りの地面に打ち水をし続けるわけにもいきませんね。そこで最近よく見かけるのが『ドライミスト』。水を霧状にして噴射して打ち水と同じ効果を得られるというものです。
体感温度も-6℃とかなり涼しく感じられます。
このドライミストがお風呂の残り湯が利用できるなら我が家の庭にも設置してみたいです。
打ち水をする最適な時間帯はいつ?
打ち水をする時間帯は『朝夕』が最適です。道路のような照り返しによる暑さの対策には昼間でも効果があるという意見もあります。
保水効果のある芝生や土の地面であれば、時間帯はいつでも良いはずですね。
水が気化するときに周囲から熱を奪うのですから、時間帯に関係なく周囲の気温は下がるはずです。
ただ暑い中で水をまくのは汗をかいてしまうので、朝一番と夕方日が沈んでからがおすすめです。
直射日光が当たり続ける場所は、常に水をまき続けてないといけないので、その場合は日陰で打ち水をすると効果が持続します。
ベランダの場合は、グリーンカーテンを設置して鉢や植物に水をかける方法も有効です。
さいごに
エアコンを使わずに打ち水で涼しく出来れば電気代が節約できます。打ち水をするときはお風呂の残り水を使うと水道代もかかりません。
暑い夏を打ち水で快適に過ごしましょう。