2015年6月16日に米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸を3年以内に全廃すると発表しました。
トランス脂肪酸の摂取を気にして購入しているのは我が家ではバターだけ。
ですから3年以内に全廃されても何か影響があるの?と思いましたが、調べてみるとトランス脂肪酸が含まれる食品は沢山ありました。
そこで、どんな食品に含まれているのか解り易く一覧にし、気になる食品への含有量の目安や商品への表示方法がどうなっているのかもまとめましたのでご覧ください。
トランス脂肪酸が含まれる食品一覧
トランス脂肪酸が含まれる食品は毎日のように私たちが口にするものでした。
食品とトランス脂肪酸の含有量は『農林水産省の食品中の脂質及びトランス脂肪酸含有量(範囲) 』を含有量の最大値順に並び替えています。元データはコチラ
※平成26年・平成27年調査結果に更新
穀類(平成26・27年調査)
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
ポップコーンの素:4.2~5.4
クロワッサン:0.22~2.6
乾パン:0.02~0.12
ロールパン:0.05~0.15
即席めん:0.03~0.17
菓子パン:0.04~0.42
食パン:0.02~0.15
即席カップめん:0.028~0.16(品目からなくなっています)
豆類(平成18・19年調査)
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
油揚げ:19.4~32.5
がんもどき:13.0~21.3
肉類(平成18・19年調査)
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
牛(ハラミ):0.12~0.22
和牛(サーロイン):0.54~1.4
輸入牛(サーロイン):0.6~1.2
和牛(肩ロース):0.27~1.2
輸入牛(肩ロース):0.51~0.88
和牛(ヒレ):0.22~0.86
和牛(モモ):0.12~0.81
和牛(肩バラ、トモバラ):0.22~0.80
輸入牛(モモ):0.12~0.70
和牛(肩):0.28~0.55
輸入牛(ヒレ):0.24~0.54
輸入牛(肩バラ、トモバラ):0.24~0.49
牛(心臓):0.25~0.48
輸入牛(肩):0.31~0.36
牛(テール):0.12~0.13
牛(ミノ):0.005~0.11
牛(肝臓):0.021~0.054
牛(タン):0.012~0.045
乳類(平成18・19年調査)
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
コンパウンドクリーム:9.0~12
コーヒークリーム:0.011~3.4
ナチュラルチーズ:0.50~1.5
生クリーム:1.0~1.2
プロセスチーズ:0.48~1.1
アイスクリーム:0.28~0.60
アイスミルク:0.13~0.28
ラクトアイス:0.008~0.27
低脂肪乳:0.024
練乳:0.005~0.23
乳飲料:0.024~0.19
牛乳(種類別牛乳):0.069~0.13
ヨーグルト:0.065~0.11
脱脂粉乳:0.022~0.026
低脂肪牛乳:0.036
乳酸菌飲料:0.0~0.003
油脂類(平成18・19年調査)
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
ショートニング:1.2~31
マーガリン:0.36~13
ファットスプレッド:0.99~10
食用調合油:0.73~2.8
牛脂:2.7
バター:1.7~2.2
食用植物油:0.0~1.7
ラード:0.64~1.1
菓子類(平成26・27年調査)
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
菓子パイ:0.15~4.6
クッキー:0.08~0.67
半生ケーキ:0.10~1.1
アップルパイ、ミートパイ:0.09~0.58
ビスケット:0.03~0.30
スポンジケーキ:0.03~0.09
ドーナツ:0.12~0.62
スナック類:0.16~0.90
ショートケーキ:0.21~1.2
デニッシュ:0.08~3.1
シュークリーム:0.07~0.46
クラッカー:0.04~3.9
チョコレート:0.10~0.40
米菓:0.05~0.52
プリン:0.07~1.7
調味料・香辛料類
数値はトランス脂肪酸含有量(単位:g/100g)
ルウ(カレー、ハヤシ、シチュー):0.07~6.4
マヨネーズ及びマヨネーズタイプドレッシング:0.34~1.1
ドレッシング:0.13~0.71
トランス脂肪酸が含まれる食品の含有量の目安は?
トランス脂肪酸はの含有量の目安は、『専門家会合(食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合)』によると、『総エネルギー摂取量の1%未満』と勧告しています。1人1日当たり2g未満が目安ということになります。
1%という割合は、先ほどのトランス脂肪酸含有量が1g/100g以上の食品です。
最大値が1%の食品を多い順に並べると
- ショートニング:0.46~24
- マーガリン:0.36~13
- コンパウンドクリーム:9.0~12
- ファットスプレッド:0.99~10
- ルウ:0.07~6.4
- 菓子パイ:0.15~4.6
- コーヒークリーム:0.04~4.6
- 食用調合油:0.73~2.8
- 牛脂:2.7
- バター:1.7~2.2
- 食用植物油:0.0~1.7
- ナチュラルチーズ:0.50~1.5
- 牛(ハラミ):0.79~1.5
- 和牛(サーロイン):0.54~1.4
- ショートケーキ:0.21~1.2
- 生クリーム:1.0~1.2
- 輸入牛(サーロイン):0.60~1.2
- 和牛(肩ロース):0.27~1.2
- マヨネーズ及びマヨネーズタイプドレッシング:0.34~1.1
- 半生ケーキ:0.10~1.1
- ラード:0.64~1.1
- プロセスチーズ:0.48~1.1
- その他のソース:0.032~1.1
しかし、厚生労働省が定めている『日本人の食事摂取基準(2020)』ではトランス脂肪酸の目標量の基準は定められていません。
ちなみに『日本人の食事摂取基準(2020)』に定められている栄養素は、
- たんぱく質
- 脂質
- 飽和脂肪酸
- n-6系脂肪酸
- n-3系脂肪酸
- コレステロール
- 炭水化物
- 食物繊維
- 糖類
- エネルギー産生栄養素バランス2
- ビタミンA
- ビタミンD2
- ビタミンE
- ビタミンK
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- 葉酸
- パントテン酸
- ビオチン
- ビタミンC
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
- ヨウ素
- セレン
- クロム
- モリブデン
この中にトランス脂肪酸が入っていないということは、摂取しなくても良い栄養素と捉えることが出来ますね。
トランス脂肪酸の食品への表示方法は?
トランス脂肪酸の表示については、現在ルールが存在していません。そこで、消費者庁では、「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」を公表し、トランス脂肪酸に関して食品事業者が情報開示を行う際の考え方を明らかにしています。
私たち消費者にとって重要なポイント
①トランス脂肪酸は、天然由来と工業的に作られたものがあるが、正確に区別して分析できないため区別して取り扱わない。
※平成26・27年調査では、天然トランス脂肪酸のみを含むと考えられる食品(牛肉、バター等)は、調査対象から除かれています。
②誤差がプラス20%認められている。
③0.3g/100g未満の場合0gと表示できる。
トランス脂肪酸の天然との区別がされないということが驚きですね。さらにプラス20%までの誤差がOKということは、1gと表示されている場合は1.2gの場合もあるということです。
さいごに
トランス脂肪酸が入っている食品って結構多いことに驚きました。これらを全て食べない生活を送れるかというと無理でしょう。
トランス脂肪酸というとマーガリンが騒がれますが、ハヤシルウや菓子パンも含有量が多いので、気になる方は他の食品の摂取量も見直したほうが良さそうですね。